期外収縮
動悸や胸の違和感でお困りの方へ。適切な検査と治療で症状の改善を図ります
期外収縮について
期外収縮とは、本来の心拍リズムとは異なるタイミングで心臓が余分に収縮する状態です。心臓は電気信号によって規則正しく拍動しますが、期外収縮では異常な電気信号が発生し、不規則な収縮が起こります。
期外収縮は、健康な人にもよく見られる一般的な不整脈であり、特に自覚症状がない場合は心配ありません。しかし、頻繁に発生する場合や他の心疾患がある場合は治療が必要です。
このような症状でお困りの方
心房性期外収縮(PAC)
- 心房で異常な電気信号が発生するタイプ
心室性期外収縮(PVC)
- 心室で異常な電気信号が発生するタイプ
症状
期外収縮の症状は人によって異なり、無症状のことも多いですが、次のような不快感が現れることがあります。
- 動悸(どうき)：心臓が一瞬「ドキッ」と大きく脈打つ感じ
- 脈の飛び・乱れ：脈が一拍抜けたり、リズムが不規則になる
- 胸の違和感：胸が詰まるような圧迫感や軽い痛みを感じることがある
- 息切れ・めまい：脈が乱れることで一時的に血流が低下し、息切れやめまいが起こる場合がある
診断
期外収縮は、以下の検査で診断します。
心電図検査
- 心臓の電気信号を記録し、不整脈の有無を確認します。
- 期外収縮では、本来の脈のタイミングと異なる「余分な収縮」が記録されます。
ホルター心電図
- 24時間装着する携帯型の心電図機器で、日常生活中の不整脈を記録します。
- 発作的に起こる期外収縮や頻度を把握するのに有効です。
心エコー検査
- 超音波を使い、心臓の構造や動きを確認します。
- 心筋症や弁膜症など、期外収縮を引き起こす基礎疾患があるかを調べます。
治療
期外収縮の治療は、症状の強さや頻度、心疾患の有無によって異なります。
1. 経過観察(治療不要な場合)
症状が軽度で、日常生活に支障がない場合、治療は必要ありません。期外収縮は健康な人にもよく見られる不整脈であり、特に心疾患がなければ経過観察のみで済むケースが多いです。
再発予防のための生活習慣改善
ストレス管理
ストレスは期外収縮を誘発するため、十分な休息と気分転換が重要です。
カフェイン・アルコールの摂取制限
コーヒーやお酒は不整脈を悪化させることがあるため、控えめにしましょう。
禁煙
タバコは心臓に負担をかけるため、不整脈の予防には禁煙が推奨されます。
2. 薬物療法
症状が強い場合や頻発する場合は、薬物療法が検討されます。
β遮断薬
交感神経の働きを抑え、心拍を安定させます。
カルシウム拮抗薬
心臓の収縮を穏やかにし、脈の乱れを抑える
抗不整脈薬
頻繁な期外収縮を抑える薬です。
3. カテーテルアブレーション
薬で十分な効果が得られない場合や、副作用が強い場合はカテーテルアブレーションが検討されます。
治療方法
足の付け根などからカテーテル(細い管)を血管内に挿入し、心臓まで到達させ、期外収縮の原因となる異常な電気信号を発生させる部位を焼灼(ようしゃく)します。
適応と効果
頻発する心室性期外収縮に対して特に有効で、成功率は約80～90％と高く、多くの患者さんで症状が改善します。
期外収縮が冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)や心不全などの疾患に関連している場合は、基礎疾患に対する治療が必要です。